熱中症は労災になる…!?
この季節になると気をつけなければならない熱中症。
タイトル通り「熱中症は労災になるの?」という質問の答えは、
「熱中症は労災として認められる病気です。」
しかし熱中症の労災認定を受ける為には一定の基準があり、以下のように2種類の要件に該当する必要があります。
【一般的認定要件】
- 業務上の突発的又はその発生状態を時間的、場所的に明確にしうる原因が存在すること
- 当該原因の性質、強度、これらが身体に作用した部位、災害発生後発病までの時間的間隔などから災害と疾病との間に因果関係が認められること
- 業務に起因しない他の原因により発病(または憎悪)したものでないこと
【医学的診断要件】
- 作業条件及び温湿度条件などの把握
- 一般症状の視診(けいれん、意識障害等)及び体温の測定
- 作業中に発症した頭蓋内出血、脳貧血、てんかん等による意識障害などの識別診断
これらは、他の疾病ではなく熱中症を発症したと認定する為に医師が判断材料とする要件です。
以上の一般的認定要件と医学的診断要件の2つの要件に該当し労災認定と判断された場合、労災保険から補償を受けることとなります。
通勤中の熱中症はどうなる?
就業の為に合理的な経路及び方法による移動中に熱中症を発症し、次の要件を満たす場合に通勤災害として認められます。
- 住居と就業場所との往復
- 就業の場所から他の就業の場所への移動
- 単身赴任先と家族の住む住居間の移動
当然ながら通勤の途中で合理的な経路を逸れたり、通勤と関係ない行為を行ったりすると、通勤災害に該当しません。
帰宅後の熱中症は?
終業後帰宅して熱中症になった場合「いつ?どこで?どうして発症するに至ったか?」により労災認定されるかが変わってきます。
業務中・通勤中から熱中症の症状による体調不良があり、帰宅後も症状の改善がなかったり悪化したりした場合には労災の対象となる可能性があります。
業務とは関係ない個人的な事が原因の場合、帰宅後の自宅内の暑さが原因の場合は労災に該当しません。
最悪死に至る危険性のある熱中症にかからないよう、日頃から熱中症予防対策をしていきましょう!予防対策のに関する記事「身近な危険、熱中症」をあげてますので是非ご参考にしてください。
(労働保険事務組合)福岡経営者共済会
福岡一人親方共済会